空の大きさ
屋上に向かって俺と健吾は無言で歩く。
でもそれは威圧感はなく、気まずくもない。
屋上につくと外は暖かくて今日は綺麗な晴れ空だった。
隣に少し間を開けて健吾が座ると俺は空を見上げた。
もう癖になっているその仕草を健吾はまた理由を聞いてくる。
「お前はいつも何を見てるんだ?」
それに対して俺はいつもと同じ答えを出す。
「空」
「なんで?」
ここまでいつもと同じやり取りの俺たち。
いつもならここで俺がはぐらかす。
でも今日はそれはしたら駄目だ、と思った。
だから、いつもと違う答えを出した。