空の大きさ
部活が始まるまでは一人一人準備運動をすることになっている。
俺と健吾もいつもなら一緒に運動するんだけど、未だに腕が治ってない俺は今日もまたベンチ。
一人でボケーっといつもの如く上を見ていたら
「暇そうだなー」
と、平田先輩が俺の隣に来た。
「あ、おはようございます」
「おう、腕はどうだ?」
「多分もうあと数日したら治りますよ」
「そうか、だといいな。多笠木が暇そうだしな」
俺とバッテリーを組んでる健吾はやっぱり一人だと暇みたいだ。
しばらく俺と平田先輩は黙ったまま2人で上を見上げていた。
平田先輩が先に沈黙を破った。
「俺は、お前は感情を出さないヤツだと思ってたよ」
急にそんなことを言われておれは目を見開いて平田先輩を見る。