空の大きさ


どうしたのかと思って堀内を見ていたら


「だって腕治ったらもう桐島のノートは取らなくてよくなるでしょ?」


寂しそうな顔で俺を見上げてくる。



体が彼女を抱きしめたい、と叫んでも今は教室、ましてやクラス全員の前でそんなことができるはずがない。


ぐっと我慢して、



「じゃあ今までのお礼をするよ」



と言った。



あわよくば、堀内とデートができる!


なんて邪な考えがあったことも否めないけど、純粋に感謝の気持ちもちゃんとあった。




「お礼なんていいよー!」


と言ってくれるけどここで引き下がれる訳がない。


「ううん、俺がしたいから。いいだろ?」


それからも渋っていた堀内だったけど、最終的には折れてくれた。




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