空の大きさ

しばらくして食べ終わった俺たちはファミレスを出た。


「いやー、食った食った」


「本当に。あんたにご飯奢るのもう止めるわ」


「え、なんで?」


「お財布空っぽになるでしょ」



といつも通り軽い口喧嘩をしながら町を歩く俺たち。



姉ちゃんからの攻撃を避けるべく視線を前に戻すと見た事のあるような後ろ姿が見えた。




「...あれ、堀内かな」




そんな俺の声が聞こえた姉ちゃんは俺の目線をたどってそっちに顔を向ける。




「何、顔でも見えたの?」


「いや、じゃなくて後ろ姿だけ」


「後ろ姿だけで分かるの?!」



何故か吃驚されて、逆にこっちが吃驚だ。



「なんで、姉ちゃんも分かるだろ?」



自分の彼氏の後ろ姿ぐらい...




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