空の大きさ


勇ちゃんの家に着くと勇ちゃんのお兄ちゃんの貴志がリビングでテレビを見ていた。


「「ただいまー」」


「おお、おかえり」


「あ、貴志!今日は部活は?」


「今日は部活休み。ってか青空、年上に向かって呼び捨てはないんじゃない?」


怒ってるような口調でしゃべりかけてくる貴志はいつも通りの優しそうな笑顔。


「だって貴志は貴志じゃん」


そういうだけであたしが貴志と呼ぶのを許してくれる事を知っている。


「全く。青空だけだよ」


クシャっと頭を撫でて貴志はまたテレビを見た。


「終わった?こっちも用意できたよ」


その時丁度勇ちゃんがキッチンから顔を出した。


「うん、上行こう!」


その手にはジュースとお菓子をのせたお盆を持って。



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