空の大きさ
勇ちゃんの部屋に入って机を挟んであたちたちは座った。
「今日は何の勉強?」
「数学!勇ちゃん得意でしょ?教えてね」
はは、と笑って勇ちゃんとあたしは勉強を始めた。
時折集中が切れてあたしはノートから勇ちゃんへと視線を向ける。
本当にかっこいいな、勇ちゃんは。
こんな幼なじみがいてあたしはとてもラッキーだと思う。
とてもラッキーなのに...
この満たされない心はどうしてだろう。
勇ちゃんが側にいてくれて嬉しいのに、
たまにとても寂しくなる。
勇ちゃんにも埋めない心の穴は誰か違う人が埋めてくれるの?
「ん?」
あたしの視線に気付いて勇ちゃんも顔をあげる。
「んん、なんでもない」
そう言ってあたしはまたノートに視線を戻す。
解決されないモヤモヤ感も一緒に。