空の大きさ


「屋上で、俺に何が見えるか聞いた事あっただろ」


俺はなおも空から目を話さずに堀内に話しかける。


「そうだっけ」


「.......覚えてねえのかよ」


クスクス、と笑い声が聞こえてくるからそっちを見ると、


「嘘。覚えてるよ、ちゃんと」


嬉しそうに顔を綻ばせる。



そんな顔を見て俺も笑顔になる。



「...俺には」



何が見えるのかを説明しようとした、その時。




「青空」




矢野先輩の声が聞こえた。



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