LIFE


 久しぶりに

 父の温もりを感じた気がした




 「……あっ…、」


 その手紙に、
 父の髪の毛が1本ついていた。




 色素が抜けかけの、
 グレーになっている髪の毛。




 いつも、文章を書くときに
 頭をかく父の癖が思い浮かんだ。




 「こんなに
  色ぬけてたっけ?微笑」




 父の髪の毛をつまみ、
 空へかざした










 ―― その瞬間 ――――




 髪の毛が急に熱くなり

 すさまじい光を放った












 (眩しい……)

  目をつぶり、
  うつむいた










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