龍王
「まぁ、むやみに人を殴んなよ。」
パパはあたしの髪をわしゃわしゃとやり、
「今日は美華の桜ケ丘転校パーティーだ」
にやっと笑った。
「あ、あと響也さんと美鈴さんのおかえりパーティーもっす。」
けんちゃんがいい、あとはみんなどんちゃん騒ぎ。
ともくんは酔っていて
「なんで今日さぼったんだ?」
「龍王の溜り場行ってた」
部屋が一気に静かになった。
「み、美華。それほんとか?」
楓がびっくりした顔で言うからあたしもコクコクと頷く。
あ、このお菓子おいしっ!
「11代目は…龍翔だよな?」
「龍翔は美華のこと知らないはずです。」
「まぁ、いいじゃね?
美華。総会のときまで俺らのこと言うんじゃねーぞ」
「わかったけどなんで?かず兄」
「おもしろそうだから」
「和也おめぇ…」
「美華は龍王と関わる運命なんっすよ、慎さん」