龍王



「もう大丈夫だ。泣け」

その一言にあたしは悠人さんの胸で泣いた。

10分ぐらい泣いてだいぶ落ち着いた。

「すいません…。」

女嫌いだし。

「敬語やめろ。」

「えっ!?」

「あんたなら信じられる気がすんだ。
最初はなれねーと思うけど。」

恥ずかしそうに頭をかく。
「うん!よろしくね。
ゆっくん」

「はっ?
なにその名前?」

「なんとなく…。
いいでしょ?ゆっくん!」

「ふっ…。
よろしくな。美華。」

「あ、初めて名前呼んでくれた!」

「うっせー。
ほら、行くぞ。」

ゆっくんと空き教室を出た。

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