龍王
着替えて泣いてると部屋のドアが開いた。
「美華?」
龍翔だ。
寝たふりをした。
龍翔はベッドのほうにきた。
「なんで泣いてんだよ…」
悲しそうにいいながらあたしの目からながれた涙を拭く。
「俺なにしてんだろ」
頭をガシガシかく龍翔。
「龍翔?」
思わず声をかけてしまった。
「なんで泣いてたんだ?」
頭を撫でてくれる。
「なんでもないよ」
あたしがわざと笑うと辛そうにした。
「なんにもないわけないだろ。
無理して笑うなよ」
龍翔はそういうとあたしを抱き締めた。
「…好きな人いるんでしょ?」
無理矢理離れようとすると強く抱き締められた。
「龍翔…」
龍翔はなにも話さない。
あたしはこの手回していいのかな?
好きじゃないなら優しくしないでよ…。
そう思う反面、離れたくない。
今だけは…いいよね?
龍翔の背中にそっと手を回した。