─君は輝く空の上─
そんなの、嫌だよ。


わがままなのはわかってる。


だけど、だけど。



「ひくっ、ひくっ」



朱蓮は窓を見るのをやめ、私の方を向いた。



『花音、泣くな…つか俺まで、泣いてんじゃんか』



夕陽で朱蓮の涙が光ってみえる。


一粒、また一粒、キラキラ光って流れ落ちていく。



「朱蓮と離れたくないよ」


『俺も。叶わないってわかってるけど、やっぱ、怖い』



朱蓮のほうが、私より何千倍も怖いんだよね。



自分が“死ぬ”なんて言葉言われたら、私、もう何も出来なくなる。



そっと朱蓮の涙をふいた。



『か、のん』



この日、初めて、朱蓮が居なく事がすごく怖くなった。



朱蓮といる1秒1秒無駄になんてしたくない。



私の肩で泣いてる朱蓮。



「我慢しなくていいよ。思いっきり泣いていいよ」



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