この想い届け


「やっと図書館着いたな!
図書館遠すぎだわー」

そう言いながら、
ガラガラっとドアを開けた。



「・・・い、み・・・?
・・・・・おい、水野!!」


「は、はい!!」


「さっきからボーっとしてどうした?」


「い、いや・・・
何でもない、です・・・」


「んー、そうか。
まぁまず席に座ろうぜ」


「うん」



あたしの頭の中では
さっきの先輩の言葉が
何回もリピートされていた。


『自惚れてんじゃねぇよ、地味女』


なんであたしがそんなこと
言われなきゃいけないの?

まぁ少し・・・自惚れてたかもしれないけど。

今さっき会った人に
そんなけと言われたくない。


でも大地くんと話したからって。

大地くんと一緒にいたからって。

そんな些細なことでもみんなからひがまれるんだ。


しかもこんな地味女だもんね。


あたしみたいな人は
大地くんに恋なんてしちゃいけないのかな・・・

両想いにならなくていい。

ただ見ているだけで・・・

あたしは十分なんだ。


そんな切ない恋―――



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