この想い届け
「あれ・・・?
あんた、南高の生徒だろ?
こんなとこいていいのかよ?
遅刻すんぞ」
「あたし・・・
引っ越してきたばっかで、道に迷っちゃって・・・」
「はぁ!? まじかよ。
俺も南高だから、連れてってやるよ」
「ほんとですか!?
ありがとうございますっ!!」
そう言って勢い良く頭を下げた。
「そんな・・・ 大げさだろ」と、笑いながら言ったあなた。
あたしはこの笑顔に、どんどん惹かれていったのだろう。
笑うと無邪気な子供みたいな顔になるあなた。
八重歯が少し見える。
見た目はチャラそうに見えるが、
話してみると結構優しい人だったり。
この時もあなたは優しかったから、
あたしを助けてくれたのだろう。
こんな地味女にも優しくしてくれるあなたが、
好きです―――