この想い届け


「なぁ、水野」

石ちゃんが何か企んでるような目で
あたしを見てくる。


「な、なんですか?」


「たしかー・・・
 水野は学年で20番以内だったよな?」


「は、はい・・・」


なんか嫌な予感。


「水野ってそんなに頭良かったのか!」

と大地くんは驚いてる様子。


「佐藤さ、学年でビリなんだよ」


「んなこと水野に言うなよ。
 はずいじゃんか」


あ・・・

大地くんが照れてる・・・


初めて見たかも・・・


そう思ったのもつかの間。


「水野、佐藤に放課後勉強教えてやってくれよ。
 テスト1週間前なのに、こいつ勉強してないし・・・
 佐藤、次成績で1とったら・・・
 どうなるか分かってるよなぁ?」


やばい、という顔をしている大地くん。

もしかして1学期の成績、1ばっか・・・?


「わ、分かってる。
 まぁ1とらなきゃいいんだろ?」


「そういうことだな。
 赤点取らなきゃ大丈夫だろう」


「はぁ!? 赤点取らないとか・・・
 無理すぎんだろ」


「だから、水野に教えてもらうんだよ」


「ああー、そういうことか。
 水野よろしくなっ!
 俺相当ばかだけど」

そう言って苦笑いしてる大地くんを
また好きになっていく。


「いやいや・・・
 大地くんが赤点取らないように、
 あたし頑張って勉強教えます!」


「水野そのいきだ!
 佐藤をよろしくな」


「はい!」


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