11月1日


由愛と裕稀が出会ったのは、
小学校4年生の時の
由愛が和田小学校に通う最後の日。

あの時から少しも
裕稀の暖かさに触れなかった事は
なかったよ。

――――――――――――――
♪~♪♪~(掃除の時間が終わります。皆さん気をつけて帰りましょう。ではさようなら。今日の放送は〇〇〇〇〇でした。)
「みーちゃん帰ろ!」

みーちゃんはあだ名で
本当は前嶋美里ちゃん。
小学校では1番仲良い子。

「ねえ、転校するの?」

「うん!でも近いから遊べるよ!」

「じゃあお家落ち着いたら、遊び行ってもいーい?」

「いいよ!ありがとう!」

一瞬、みーちゃんがそっぽ向いたから具合悪いのかと思った。
「………」

「みーちゃんどうしたの?」

「裕稀君、由愛ちゃんの事呼んでるみたいだよ。」

「別に行かなくてもいいら…」

「大丈夫?」

「大丈夫だよ。じゃあさ、今日帰ったら遊ぼう!」

「お母さんに聞いてみる。」

「由愛も。じゃあ後でね」

みーちゃんと駄菓子屋さん行きたいから早く帰ろッと!

この時の私達の“お買い物”は、駄菓子屋さんに行く事だ。
100円でもいっぱい買えるからね。

「由愛さん!今日で学校転校しちゃうんでしょ?」

こいつ、櫻井裕稀。
周りから見たら結構俺様。
関わりたくない存在。

「うん。」

「あのね、僕由愛さんの事が好きだから…」

「好き?」

「うん」

< 2 / 2 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

由愛の太陽

総文字数/9,605

ノンフィクション・実話24ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop