11月1日
由愛と裕稀が出会ったのは、
小学校4年生の時の
由愛が和田小学校に通う最後の日。
あの時から少しも
裕稀の暖かさに触れなかった事は
なかったよ。
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♪~♪♪~(掃除の時間が終わります。皆さん気をつけて帰りましょう。ではさようなら。今日の放送は〇〇〇〇〇でした。)
「みーちゃん帰ろ!」
みーちゃんはあだ名で
本当は前嶋美里ちゃん。
小学校では1番仲良い子。
「ねえ、転校するの?」
「うん!でも近いから遊べるよ!」
「じゃあお家落ち着いたら、遊び行ってもいーい?」
「いいよ!ありがとう!」
一瞬、みーちゃんがそっぽ向いたから具合悪いのかと思った。
「………」
「みーちゃんどうしたの?」
「裕稀君、由愛ちゃんの事呼んでるみたいだよ。」
「別に行かなくてもいいら…」
「大丈夫?」
「大丈夫だよ。じゃあさ、今日帰ったら遊ぼう!」
「お母さんに聞いてみる。」
「由愛も。じゃあ後でね」
みーちゃんと駄菓子屋さん行きたいから早く帰ろッと!
この時の私達の“お買い物”は、駄菓子屋さんに行く事だ。
100円でもいっぱい買えるからね。
「由愛さん!今日で学校転校しちゃうんでしょ?」
こいつ、櫻井裕稀。
周りから見たら結構俺様。
関わりたくない存在。
「うん。」
「あのね、僕由愛さんの事が好きだから…」
「好き?」
「うん」