『約束』、
「吹雪ちゃん!ダメ!言ったら!」

「私はね…」

「今はそんなことないのに!過去の事なんか忘れようよ!」

「島岡、落ち着け」

2学年の代表委員、学年長を勤め

る岡林明が

麻里ちゃんの片手を強く抑えている。

「ダメェ!吹雪ちゃん!そんな昔の事ぉ!」

「話してくれるか?」

クラスのまとめ役で

生徒会副会長の川崎庄平が、

麻里ちゃんに構わず私に聞いた。

私は無言でうなずく。

「いやぁぁぁ!!」

「私は、」

クラスには

麻里ちゃんの叫ぶ声しか響かない、

「私はね、1年6組のときに上島二郎が好きだったの。」

クラス全体が静まった。

麻里ちゃんは泣き続ける。

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