『約束』、
好きだった。

上島二郎を、
    
これは嘘ではない。

確かに今は

ストーカー的な感じなので、

好きではなくなっている。

でも好きだったのは事実だ。

きっかけはただの休み時間。

私の筆箱につけていた

不細工なキーホルダーを

『ちょうだい』

といわれ、

何も想わずあげたのだ。

もちろん、

あげただけで好きにはならない。
      
その後だ。

次の授業である理科は

北校舎4階の隅っこにある

実験用理科室であった。

あの休み時間には

お礼さえも言わなかったというのに

授業が始まって突然、

実験中に

ポンッ

と肩をたたかれ、

『ありがとう』

と言われただけなのだ。
 
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