『約束』、
ノートみたいな…

それも小さい束ねていた紙が

落ちた音がした。

音の方向を見ると私の真下にある。

それはどうやら私の生徒手帳のようだ。

近くにいた麻里ちゃんが

その生徒手帳を拾った。

「吹雪ちゃん…?何で生徒手帳を持ち歩いてるの?」

麻里ちゃんが疑問に思うのは

あたりまえだった。

本来この北城中学校では

生徒手帳は必要なかった。

活用する時が

まったくと言ってないので、

誰一人持ち歩いてないのが

当然の学校だ。

生徒手帳を使うときと言っても、

せいぜい映画館に行く時だけであろう…

そして、

さらにその生徒手帳から

紙らしきものがスルッと落ちた。

それを、

学年でトップ10位に入る頭脳の持ち主で、

私の隣の席の谷口尚樹が拾った。

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