『約束』、
「ねぇ……谷口。私、いったいどうしたらいいの?」

しばしの沈黙、

私は何がなんだか

分かんないほどになるまで

頭が混乱していた。

谷口は黙ってうつむいている様子だった。

でも私は気持ちが抑えられなかった。

「ごめん。1人にしてもらえるかな?」

感情のない声

(でも泣いて震えた声)

で私はそう言った。

森野は気を使ってくれているのだろう…

いつのまにか掴まれていた手が離れていた。

そして私は教室を後にした。

私は、無人の保健室のソファに

ただ無言で腰掛けていた。

   ガラッ

保健室のドアを開ける音がする。

誰かが入ってきたようだ…

私は、恐る恐る顔をあげ、

入り口を見た。

そこには、

麻里ちゃんが静かに立っていた。




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