『約束』、
第4章 過去
保健室には

私と麻里ちゃんの

2人しかいない。

私は麻里ちゃんが

保健室に入ったのを

確認して口を開く、

「私は5組の皆に守ってもらったり助けてもらったりする資格がない。」
 
私は麻里ちゃんと

目が合わないように、

顔を伏せて

震える声で話した。

「友情に資格ってものあるの?」

麻里ちゃんが

すごく真面目な顔で言う。

「だって…私、人を…皆を信じてなかったんだよ!そんな奴がこんなふうに優しくされるのも可笑しいよ!」

「じゃぁ、吹雪ちゃんは友情って自分が信じることだけが全てって思ってる?吹雪ちゃんにとって、友情は一方的なもの?」

麻里ちゃんがじっと私を見つめる。

「……。」

私は何も答えられなかった。

自分でも、友達とは何か

分からなかったからだ。


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