『約束』、
麻奈はしばらくして口を開く。

「珍しいって何?」

大山奏は

ちょっと間を置き、

答えた。

「何って…終業式の日に学校にいることだよ。普段こんな行事に来ないのに…。」

「…。」

私と麻奈は

何も反発できなかった。

『寒いから』

なんて事言ったら

カッコ悪いからだ。

「何?寒かったから外出たくない的なやつ?な~んてな♪」

「……。」

私達は思いっきり

図星だったため

本当に何も答えず

ただ顔を赤らめた。

大山奏はようやく

空気を読んで言った。

「えっ?まさか、図星?」

「…………。」

ズバリと言われて

私と麻奈は長い長い沈黙。

大山奏は延々と笑い転げていた。

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