『約束』、
第5章 それぞれの想い
2年5組教室…

「吹雪は人を信じる事出来ないというよりも、人を信じるのが怖いんだ。皆が急に人が変わったみたいに無断で受験されて、自分の知らない間に大切な時間、大事な友達が離れていったことに…。きっと今も、好きだったって言ってた上島も、人が変わったみたいになって怖いんだと思う。」

谷口は小学校の頃の

話を終えた後、

少し間を置いて

付け足して言った。

「入学式の日、覚えてるか?」

「えっ?あっあぁうん…。」

皆は戸惑いながらも、

それぞれ顔を見合わせ

バラバラに返事をする。

黙ってうなずく者もいた。




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