『約束』、
「一人ぼっちは、寂しかったでしょう?」

麻里ちゃんは

目いっぱいに涙をためて言った。

私は自然と目から

涙が零れ、

その場にズルリと

座り込んだ。

「吹雪ちゃんは、人を頼るって事を知らない。きっとずっと自分の中に溜め込むって事しかできなかったって感じだよ。ずっと一緒にいて思ってた。」

麻里ちゃんは

座り込んだ私の前に

そっとお尻を浮かせて

座り込んだ。

そして右手をゆっくり上げた

「溜め込む……?」

私は麻里ちゃんの顔を

じーっと見てまた聞き返した。

「そう。何ていうかさ、もう二度と自分の周りから人が離れていかないように吹雪ちゃん1人が傷ついて、それで皆がそこにいやすい環境を作ろうと無意識のうちにしてくれてるよね。」

麻里ちゃんは涙を

床にこぼしながらも、

その上げた右手を

私から見た私の右の

ホッペに当てた。


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