『約束』、
私は頭が真っ白になった。

何がなんだか

分からなくなったからである。

「吹雪ちゃん、私ね…友達って『友達になろう』って言ってなるものじゃないと思う。」

麻里ちゃんも

スッと立って真面目に言った。

「何で…?」

私はポケットから

ハンカチを取り出して、

自分の涙を拭いた。

「だって友達って知らない間になってるものだもん。だから私達は本当の友達。だから私は吹雪ちゃんが辛い時でも気付いてあげられる。」

麻里ちゃんは優しく

微笑み言った。

「本当の友達…。」

私は自分の中で

その言葉を繰り返した。

とてもいい響きだと感じた。



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