終電、




「…で、あれがショートの伊沢修也さん。」


「…ショート。」




佐伯もショートだったな、とか、こんなふうにいちいち元彼を思い出す自分もどうかと思う。





「修さんはめっちゃドS!でも一番絡みやすいと思うよ。」



性格は、佐伯と間逆。



あ、ほらまた、思い出してる。





「あ、美弥ー!!今俺のこと悪く言ってたろー?」



修さんはこっちに気づいて私と美弥の間に割り込んで座った。




「違いますよー!修さんは野球がうまくて優しいって言ってたんです!」


「嘘つけ!」



なんか、仲良いなー。





「罰として美弥は俺の好きな炭酸買ってこい!」

「えー!まじですかあ?」





まんざらでもない様子な美弥。
なんだかんだ言うこと聞いて買いにいっちゃったしね。


修さんがドSなら、美弥はドMだな。








「さくら、」

「え?」

「さくらの花びら、髪についてる。」




修さんに急にのぞき込まれて、不覚にもドキっとしてしまった。






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