終電、





佐伯と別れたのは、佐伯の幼なじみの女の子が、私に嫌がらせをし始めたからだった。







上履きがなくなったり、ノートに落書きされてたり。





そのうちまわりにいた友達は離れていって、1人で過ごすことが多くなった。






佐伯は、そのとき助けてくれなかった。






ただ私に、一方的に別れを告げた。




「好きじゃなくなったから、別れて。」






私は、悲しすぎて涙も出なかった。



私が頷くと、佐伯は何も言わず背をむけて歩き出した。

大好きだったユニフォーム姿。






きっと私に友達がいなくなったから、嫌いになったんだ。



これ以上につらいことなんて、ないと思った。







その日から始めたリストカットは、今だにやめられていない。




深く切ったりはしない。
だけど、いろいろと思いつめてしまう日は、切らないと眠れない。







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