終電、





事実を知ったのはその4ヶ月後、卒業式の日だった。







佐伯は、私が嫌がらせされているのを知って、別れればそれがとまると思ったらしい。






確かに、別れた翌日から嫌がらせはなくなったし、友達も戻った。



だけど、佐伯と別れるなんて、嫌がらせよりも辛いことだった。







その事実を教えてくれたのは、野球部だった田中舜。







「…もう卒業だし、お前らには後悔してほしくないから言うかんな。






…あいつ、泣いてた。」






「…え?」






「お前と別れた日、俺が部室にいったら声が聞こえて…あいつ、泣いてた。」



「………。」








「お前ら、ちゃんと話し合ったほうがいいんじゃねーの?」






「…うん。」










その夜、私はいつもの公園に佐伯を呼び出した。






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