終電、
「はーい。」
「よ。お邪魔しまーす。」
「どうぞ。」
「へー、なんもねえ。」
「浩介さんちと比べないでくださいよー!」
まあ、確かにうちは何もない。
ベッド、テーブル、テレビ、カラーボックスがひとつ。
すべてが茶と白で統一されていて、女の子らしい部屋。
「まあ、俺んちもこんなもんだけどな。」
「ものがありすぎると落ち着かなくないですか?…あ、なんか飲みます?」
「何があんの?」
「んと…烏龍茶、オレンジジュース、コーヒー、ココア…」
「ココア。」
「え、ココアでいいんですか?」
「あ、今俺がココア飲むとか意外とか思ったんだろ?」
「いや、そんなことないです…たぶん。」
「たぶんっておい!」
「あ、すいません。じゃあ作りますね。」
ココアをつくって修さんにわたすと、すごく美味しそうに飲んでくれた。
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