終電、





「着いたぞー。」




「「「海だーっ!!」」」




フロントガラスからは、暗かったけど砂浜の先に海が見えた。


「…すごい。」



海なんて、子供の頃行ったきり来ていない。




こんな、大きかったっけ。



「みんなで海まで競争だーっ!!」

とおきさんが言った瞬間、私と修さん以外は走り出していた。


私もみんなに追いつこうと車を出た瞬間、



「寒っ!」




あまりの寒さに驚いてしまった。

5月の夜の海を甘くみてました…。




「薄着すぎ。」



そう言って修さんは自分のパーカーを渡してくれた。




「ありがとうございます。」


「ん。」




私が海に行くのを修さんは待っていてくれてるらしかったから、急いでパーカーを来た。



袖も裾も長くてダボダボ。





「…あったかい。」








そのパーカーの暖かさが、修さんの優しさに思えた。






「ほら、行くぞ。」





修さんに手を引っ張られて、海に向かって走り出した。









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