終電、





海は満ち潮で、みんな寒いのにズボンの裾をまくって海に足をいれて楽しんでいた。







何時間も、寒さを忘れてはしゃいだ。






「ターゲットは、おき!」


浩介さんと修さんはおきさんを力ずくで海に投げてた。





間違いなくおきさん、風邪ひくだろうな。








「じゃあ俺、次あいつ!」



と修さんが指さしたのは…私。




「いやあーっ!!やめてください!!」




「やめねーよっ!来いっ!」



修さんに捕まって片腕に抱えられた。




「やだーっ!!!ちょっ…待ってほんとに!!!」




海に落とされそうになったその瞬間急にあたりが明るくなった。





「…朝日…。」


私は修さんの腕に解放されて朝日に見入っていた。





ううん、私だけじゃなくてみんなが、言葉を忘れて見入っていた。





すごくすごく綺麗。





「…私、大学はいってこんな楽しいの初めてです…。」



「…ん。これから俺がもっと楽しませてやるよ。」







その言葉が嬉しくて、小さく頷いたけど、この時が止まればいい…と思っている自分がいた。












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