終電、





「じゃあ浩介んちで二次会しようぜ!」


四年生たちはそれぞれ浩介さんちに向かって歩き出してる。
一年生たちもそれぞれ帰りだしてる。




…私も帰るか。





「里佳ばいばーい!」


「あ、ばいばい!」




みんなの家とは違う方向にある自分の家。
里佳と別れて1人で歩き出した。
















「おいっ」





5分も歩かないうちに、うしろから声をかけられた。



振り向かなくてもわかる、この声。





「…修さん。」






「1人で帰るなよばか!暗いし酒はいってるんだからあぶねえだろうが。」


怒っているはずなのに優しい声、顔。



「あ、ごめんなさい。」


「ん。」




そして2人で歩き出した。






「…寒いのにすいません。」


薄着の修さんに声をかけた。




「ん、俺が勝手にやったことだし。」





「…はい。」



「あ、でもいっこだけ言うこと聞いてもらおうかな。」


「へ?」


気づいたときにはもう、修さんに腕を引っ張られて、家と違う方向に向かっていた。





「しゅ…修さん!?」




修さんは何も言わないまま歩き続けて、気づいたら公園についていた。









「…あと3分なんだよ」




ベンチに座りながら修さんは言った。

私も隣に座る。





「俺の誕生日。」








.
< 46 / 80 >

この作品をシェア

pagetop