終電、





「言いたくないなら、いいんだけど…


俺は、志穂のこと知りたいと思ってるから。」





「……。」





この雰囲気は、やばい。



何度も経験したことがある。





「あ、あのっ…




「好きだよ。」






沖さんの告白を何とかとめようとしたのに、言われてしまった。



沖さんは、いいひと。


だからこそ、何のわだかまりもない先輩後輩でいたいのに。




でも、そう思ってるのは私だけで、沖さんは私との関係を変えたいって思ったんだよね…




黙りこむ私に、沖さんが言った。






「いいよ、返事は知ってるから。でも、諦めるつもりはないから。」






私はその言葉にもなにも返すことができなくて、それから家につくまで2人とも黙ったままだった。






自分も傷つきなくない。

誰も傷つけたくない。




そんな恋を望んでたのに…。









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