終電、





「じゃあ飯いくかー!」


練習のあと、浩介さんはそう言ったけど、そんな気分じゃなくて。





「明日早いんで今日は帰りますねっ。」



笑顔で言って、グランドを出た。






1人で道を歩いてると、なんだか泣けてくる。






修さんの態度。





やっぱり、シなきゃよかったんだ。


何もなかったら、いつものように近くにいられたのに…。





私は後悔で涙をとめることができなくて。


前は涙で霞んで見えない。




それでも必死に歩いてると、うしろから走ってくる足音がした。









「おいっ!」





知ってる声。






振り向くと、息を切らした大好きな人。






「修さん…っ!」



私は修さんに思いっきり抱きついた。





「お、おいっ」



驚いた声が上から聞こえたけど、修さんにしがみついて離れない私。



ちょっと間があって、修さんはぎゅっと抱きしめてくれた。





涙もとまってきたよ。



よかった。

追いかけてきてくれて。





「落ち着いた?」






修さんの優しい声に頷いた。








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