終電、




達也さんに呼ばれて今ちゃっかりシートの上。



土手ではいろんなサークルが場所をとってお花見をしていた。

シートとシートの間も近くて、もうごちゃごちゃした状態。




それでも私は目の前に広げられたお菓子に夢中になっていた。



「名前、なんていうの?」

「あ、高橋志穂です!」

「かわいいからもてるでしょー!」

「全然ですよっ!!」



志織と達也さんが話に夢中になっている間、そのサークルの先輩方に絡まれた。

てか、サッカーサークルだったのか、ここ。




「ここ、入るの?」

「え、いや、私は志織の付き添いなんで…」

「えー、楽しいよここ。」


「なあ、紙コップある?」


勧誘を遮ったのは、隣のシートの男の人。

「おー!あるよ!」

サッカーサークルの先輩とは知り合いらしかった。


「そっち女の子いっぱいじゃん。誰かサッカーじゃなくて野球はいりたい子いないの?」


「…野球?」


あ、思わず声出しちゃった。
その野球サークルらしき人と目が合う。



「あ、志穂は野球興味あるんですよ!ねっ!」

達也さんとの2人の世界からいつの間にか戻ってきた志織。


「…あ、うん…。」




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