ちっちゃな体のおっきな愛
うそでしょ…
「大丈夫だよ!!…ひなは?ケガねぇか?」
「うん、大丈夫。」
「そっか。…あ、もうみんな来てる。俺たちも行こうぜ。」
あれ?
連、何か変…。
「れ…。」
「連ー!!ちょっと来てくれねー?」
「はい。」
その時、先輩が連を呼んだ。
たぶん、明日の試合の打ち合わせか何かだと思う。
その声で、あたしの言葉は遮られた。
ちょっと気になったけど、連がいつも通りだったから、あたしも気にせずに部活の準備に向かった。
「はい、じゃあ女子は終わり!!…明日は最後の試合だから、頑張ろうね!!」
「「「はい!!」」」
部長の一言で、もう本当に最後なんだという実感がわく。
「ひなた!!」
その時、部長に呼ばれた。
「一緒に、ストレッチしない?」
練習の最後にやる、2人1組のストレッチの相手になってほしいというのだ。
「はい。」
部長の背中を押す。
「ひなたはさ?」
「はい?」
「連の事が、好き?」
急にそんなことを言われて、返事に困る。
「えっと…。」
「好きなんだよね?。。。ひなた見てたら、分かる。」
「そうですか…?」
「似合ってると思うよ、ひなたと連…。」
部長が、男子の方を見た。
男子はいつにもまして気合が入ってて、今ちょうどランニングが始まったところだ。
あ、そうだ、連…。
急に気になって、連の方を見た。
(あれ…?)
軽いランニングのはずなのに、連は辛そうな顔をしてる。
(絶対おかしい…。)
あたしは、部活が終わると、連の方へ直行した。
「連、ちょっと来て?」
あたしは、半ば強引に保健室へ連を連れ込んだ。
そして、バッシュをとる。
「…!!」
その様子に、思わず息を止める。
腫れあがった、連の細い足首。
見ると、内出血で青く染まっていた。
重傷過ぎる…。
「うそでしょ…。」