やっぱり好きだった
やっぱり好きだった








中学の頃、どこの誰なのか分からない女を好きになった。


言えば一目惚れのようなもので、向こうは気づいていない様子だが、俺は朝の登校の時間がすごく楽しみだった。





彼女はどこかクールで、でもすごく優しそうな目をしていた。




彼女は気付いていないと思うけど、一度だけ電車の中で隣に座ったことがある。




俺が隣町に出かけるときに彼女と同じ電車に乗ることになった。


まさかいるとは思わなかった。




その日は休日で会えるだなんてこれっぽっちも思わなかったんだ。




偶然、隣の席になった。






俺はかなりドキドキしていたのを覚えている。


チラッと隣を見ると、音楽を聴きながら雑誌を読んでいた。




綺麗な黒髪。


キラキラしていて、触ったらスーッと通り抜けるような髪。





しかもなんかいい匂いするし…。




俺、ただの変態じゃん。


















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