やっぱり好きだった
海に行ってから日は経った。
俺は聡に呼ばれ、聡の家に行った。
そして俺に言ったんだ。
「華夜ちゃんと別れた」
その言葉に衝撃を受けた。
なんでそうなってんだよ。
「なんで…」
「華夜ちゃんには好きな奴がいるんだよ」
…え?
「だからフラれた」
そう言った聡は割り切っていた。
「俺は後悔してない。ちゃんと好きだった。だからいいんだ」
聡は強いと思った。
こいつが華夜の事をちゃんと思っていたことは俺が一番よく知っていた。
だからこそ、強いと思った。
俺なら後悔する。
「今度は翔の番じゃない?」
「え?」
「後悔すんなよ、諦めんな」
そう言った聡は俺の肩を叩いた。
俺は確かに後悔している。
好きなのに何も言えていない。
俺は弱いんだ。
彼女の好きな相手なんて知らない。
でも後悔はしたくない。
その日、強くそう思った。