やっぱり好きだった
「…くん、岡田君?」
「え?」
「どうかした?」
どうやら華夜がいるのに思い出に浸っていてみただ。
「なんでもねぇよ」
「ふ~ん」
最近分かったこと。
クールな華夜は意外と拗ねたりする。
口を尖らせたり、普段見せない姿を見るようになった。
そんなギャップにまた惹かれてしまった。
相当、ベタ惚れしている。
口が裂けても言えないけどな…。
「ってかいい加減、名前で呼べよ」
「…無理」
無理って…。
「聡は名前で呼んでんじゃん」
「それは…」
俺だって嫉妬ぐらいするし。
前の男は名前で呼んで、俺は呼べないってちょっと泣けるし…。
「あのさ…」
「ん?」
ちょっと拗ねながら返事をする。
そんな俺に気付いたのか、華夜は俺の服の裾を掴んだ。