やっぱり好きだった
「お帰りなさいませ、ご主人様!」
クラスの前の廊下では紗月やクラスの女の子が接客をしている。
これが様になっているらしく、私たちのクラスはかなりの大反響です。
私はテーブルに物を運ぶ役目。
短いスカートを気にしながら、物を運んで行く。
「お待たせいたしました」
そう言って持っていたコーヒーを置き、すぐに去る。
お客さんが何か言っていたみたいだったけど、無視していった。
紗月にあんまり関わらないほうがいいと言われたからだ。
何故かは分からないけど、紗月の言う事を聞いておこうと思った。
次々お客さんを連れてくる紗月たち。
中の仕事は大変で、席はもう満員。
「華夜ちゃ~ん、こっちのテーブルよろしく!」
「うん」
クラスの子に言われ、呼ばれたテーブルに向かう。
そこの席に座っていた人は、どこかで見た事のある人だった。
「あ、木下!」
「…中島君?」
そこにいたのは夏に会った中島君だった。
さすがに最近の事だったから名前を覚えていた。