やっぱり好きだった
「待った?」
「ううん、そんなことない」
「そっか、それはよかった」
優しく微笑む翔君。
「じゃあ行こうか」
「うん」
翔君と手を繋いで歩き出す。
初めてのクリスマスデート。
ドキドキしないわけがない。
街のイルミネーションが色とりどりに光る。
街はカップルが多い。
去年までは何も考えないで歩いていたのに、今見ると本当にたくさんのカップルがいる。
それだけ彼氏というのに関心がなかったんだ。
今、私の隣には初めて好きになった人がいる。
初めて付き合った人がいる。
それがすごく嬉しくて、彼の横顔を見る。
こんなかっこいい人が私の彼氏なんだ。
そう思うと私って本当に幸せ者なんだろうなって思った。
「どうした?」
じっと見ていたからか、私の視線に気付いた翔君が話しかけてきた。
「なんでもないよ」
私は微笑みながらそう答えた。