やっぱり好きだった
「華夜、寒くねぇか?」
「うん、大丈夫。翔君は?」
「女が心配してんな」
そう言って繋いでいた手を翔君の上着のポケットに入れる。
「温かいだろ?」
「うん」
なんか照れる。
いまだにこういうのに慣れていない私。
何て言ったって付き合うのが初めてだから。
「あ…そういえば、今日はどこ行くの?」
駅前で待ち合わせをしていたが、どこに行くかは知らない。
前日に聞いても彼は秘密と言って教えてくれなかった。
「まぁ行ったら分かる」
そう言ってまた教えてくれなかった。
私は気になりながらも彼について行った。