やっぱり好きだった
「弟はなんか言ってた?」
「アイツは知らない」
「え?」
「私を馬鹿にするから知らない」
弟は私に彼氏ができたらと知って馬鹿にしてきた。
『姉ちゃんに彼氏とかウケる!』
そう言って笑ってた。
「相当、びっくりしたんだな」
「そうなのかな?意外だったからじゃない?」
私に彼氏が出来るだなんて誰も思ってなかったと思うしね。
「弟が翔君に会ってみたいって言ってた」
「まぢで!俺も会ってみてぇな」
…翔君の性格だと、弟と気が合いそうだ。
そう思うと面白そうだな。
「華夜、着いたぜ」
そう言われちゃんと前を見ると…。
「綺麗…」
「だろ?ここは絶景だからな」
着いた場所は街を一望できる丘だった。
街の光が綺麗で、イルミネーションも見える。
感動してしまった。
「あまり人もいねぇしな」
人ごみが嫌いな私の事を考えてくれたみたい。
そんな些細なことが嬉しかった。
「ありがとう!」
私は笑顔でそう言った。
「どういたしまして」
翔君も笑顔でそう言った。