やっぱり好きだった
それから驚いた。
まさか高校で一緒になるだなんて思わなかった。
彼女もすごく驚いていたのを覚えている。
紗月は俺と同じ高校に行くと言っていたのは知っていた。
でも友達である、華夜が同じ高校に来るとはまったく聞いてなかったからだ。
たまに話には出てくるのに、そんなことは言わなかったから、俺は驚いていた。
本当に好きな女が近くにいるのに、俺は違う女と付き合っている。
自分は何をしてるんだろうって考えるようになった。
ある日の体育の時間。
グラウンドで親友の聡と他愛もない話しをしていた。
ふと上を見ると、彼女を見つけてしまった。
クラスは別々で話すこともあまりない。
それでも俺はすぐ目で追ってしまう。
人ごみでも彼女を見つける自身はある。
俺が見ていたら目が合ってしまった。
手を振ると自分に向けられたのもだとは思っていなかったらしくて、周りをキョロキョロ見ていた。
その後、自分の方に指を指して、私?と言っていた。
頷くと、手を振り返してくれた。
たったそれだけの事なのにすごく嬉しかった。