やっぱり好きだった
俺が送ると言えば、遠慮していた。
俺は少しでも華夜といたい。
ずるいかもしれないけど、俺は無理矢理送ると言って華夜の前を歩いた。
歩いていると、服を引っ張られた。
振り向くと、俺より身長が低い彼女が俺の服の裾を持っていた。
下を向いて、“ありがとう”と言った彼女。
普段見ない彼女の行動に、心臓がバクバクしていた。
本当にズルイよな。
彼女はきっと無意識なんだろうけど、俺にはかなりきた。
そんな時間が楽しくて幸せだった。
でも、先に行動していたのは聡のほうだった。
アイツは俺にこう言った。
「翔は紗月ちゃんの彼氏だろ。俺は華夜ちゃんが好きだから、邪魔すんなよ」
俺の本当の気持ちを知っていたらしい聡は宣戦布告をしてきた。