やっぱり好きだった
まさかとは思っていた。
アイツが最近、異常に華夜に絡んでいたからまさかとは思っていた。
遠足のときに聡と華夜の様子がおかしかった。
だから告ったのだと分かった。
駅のホームであった華夜に聞くと、やっぱりそうらしく俺は酷く動揺した。
でも俺には止める権利もない。
彼氏でもないし、向こうからしたら親友の彼氏なのだから。
だから思ってもない事を言ってしまった。
聡はいい奴だからって…。
彼女は泣きそうな顔をして“そうだね”と言っていた。
あの時の顔が何故か頭から離れなかった。
一緒に登校するときどれだけ目を背けていたか。
見たくなかった。
見たら顔に出ると思っていつも見ないようにしていた。