君の音色
「なあ いい加減元気だせよ
たかがアイスの当たりが出なかったからって」


自転車を押しながらトボトボ歩いているワンに誠二は話しかける。
あの後 自分も当たりを出す!と気持ちを切り替え、張り切ってアイスを食べ出したが結局ハズレと言う結果に落ち込むワン。

「そうだよ
たかが当たりが出なかったからって」


「のん お前には言われたくないと思うぞ?」


本日2本目のアイスを食べながらワンに向かって言うのん。


「たかがじゃねえ…俺は賭けてたんだ
もし当りがでたら」

「「「でたら?」」」


「…何でもねえ」


「何だよ
言いかけて止めるとかすっごい気になんじゃん」


不満そうに言う俺にワンはスタスタ前を歩いてく。


「願掛けみたいな事してたりしてね
当りが出たら何々をしよう!って」


「ああっ なるほど!! でも流石にねえだろ」


「てか ワン!! お前ん家こっちじゃね?」


いつもは曲がる道を通りすぎてるワンに誠二は指で方向を示し聞いてみる。


「え゛っ?」


 
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