君の音色
この年になって お化けとは思わないが不気味だな…
ほっとくのが普通だがちょっと気になる…
自転車から降りて 声のする方へと歩みを進め近付いていくと次第に声の主が見えてきた。
~♪~~♪~
ただの声かと思っていたら、近づくにつれメロディーが聞こえて歌だと分かった。
声の主は岩場に腰掛けていて海を見ながら歌を歌っていた。
俺の位置からはハッキリと顔は見えなかったが長い髪の女の人で曲はテレビとかでも聞いたことのある歌でとても綺麗な歌声で俺は思わず聞き入っていた。
♪~♪~~♪~♪~~
すっげえ心地いい…でも何か悲しいようなジャンジャーン♪ジャンジャジャーン♪
「ゲッ」
携帯の着信音は突如響き渡り焦って止めようとする。
夜の海辺は小さな波の音しかしないので携帯の音は結構大きく聞こえてしまう。
当たり前のように女の人に気付かれてしまった。
「っ?!!」
バシャーン!!!
女の人はよっぽど吃驚したのか勢いよく立ち上がり海の中へと落ちてしまった。
「えっ ちょっ!!!」