君の音色
 


俺は急いで岩場に駆け寄り海を見るが何処にも見当たらない。

カシャ


「?」


一歩前に出ようとしたら何かが足に当たる音がして確認してみるとそこには中ぐらいの貝殻があった。


「…貝?」


拾ってみると それはオルゴール。


「あの人の…だよな?」


キョロキョロ辺りを見回しても人っ子一人おらず波の音しか聴こえない。


どうすっかな~…これ…
置いといたままだと壊れないか?


「あっ」


そう口から溢すと俺はしゃがみ込みその辺にあった石を取り岩に書き込む。


「よしっ」
見にくいかもしれないけど大丈夫だよな


石を放り投げると俺は、オルゴールをしっかり握り自転車の所へと戻った。


岩場に俺の落書きともとれる〝メッセージ〟を残して―――


 
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