5時まで待てないッ!
「いらっしゃーい」
ガラガラっと店に入ると、空になった一升瓶を手にした店長が笑顔で振り向いた。
「ひさしぶりだな、樹。元気か」
店長は、一度でも店に来た客の顔と名前をきっちり覚えている。
あの光り輝く頭の中に沢山の人物がインプットされているんだ…。
「元気ですよ、一応」
「ははっ…まぁ、ゆっくりしてけ」
にっこり笑うと、そのまま店の奥へと消えてしまった。
今日もダリは繁盛しているようだ。